のら猫ちゃん
これを読んでくださって、メール連絡をいくつか頂きました。
そうした方々への励ましも込めて、一部追記しています。
(2/18追記)
何もかもが ” この日 ” のためだった
と思えても、すべての物事には
「 良い面とそうでない面 」
「 メリットとデメリット 」
「 陰と陽 」
があるのだと思います。
両方を経験して、またあらためて
命の尊さや縁の深さを知ります。
昨年の夏、
一匹の野良猫ちゃんとの出会いました。
住処であったろう草っ原が工事のため、伐採。
そして、我が家によく顔を出すようになりました。
家族として迎えられないのなら
中途半端な可愛がりをしてはいけない_
そう頭ではわかっていても、
心の中では、
” 人間だけの地球じゃないだろう。”
というのが大きくあって。
ご飯をもらいに来る、この子猫が
可愛くて仕方がなくなりました。
毎日の楽しみにも なりました。
同時に、
” 借家住まいだから、迎えられないぞ。”
という怖れを抱きながら。
自分の気持ちが優先の時もあれば、
現実をアドバイスしてくれる家族の言葉に
重みを感じる時もあったり。
春先は、猫ちゃんの”結婚シーズン”。
様々な事情の変化で、待った無し。
家族と相談した上で、いつもお世話に
なっているどうぶつ病院さんで手術を
受けることに しました。
そう決めても、複雑な思いは変わらず。
自分の感情に負けてはならない、
現実を直視せねば・・・。
手放しで可愛がることは、本当に容易い。
このことを実感しました。
のらちゃんは、やっぱり「野生」。
人に慣れることはないので、
自然に保護できるように、
一ヶ月程前から念入りに計画。
計画しても、いつも心はぐらぐら揺らぐ。
” お腹が空いた・・・”
とすり寄ってきてくれる嬉しさと
これから身に起こることを知らない、
純粋無垢な瞳に 私は心の中で
何度も 何度も
(ごめんね。堪忍して・・・)
と、トイレでひっそり泣いたりもした。
たかが、のら猫でしょ?!
と思われるかもしれない。
私自身、手術を受けたことがあるので
その時の心境が蘇ってくるのもあるのです。
まして、
人間の言葉がわからない、
初めてのことだらけで、
そんな流れの続きでの「手術」。
保護数日前は、胸が張り裂けそうでした。
止めたほうが・・・いや、やっぱり・・・
これの繰返し。
保護前夜は、眠れず。
当日早朝、私の心臓の音が聞こえそうな
くらい脈打ってた。
無事、保護完了。
全身が震えるようでした。
放心状態の私。
引き渡しの時間までの数時間、
ケージごと、我が家にいる のらちゃん。
” 生まれてきて、自然に沿っているのに
人間が捕まえて手術するなんてねぇ。
そうしなきゃ、いつかどこかで
捕まえられて保健所おくりになって
一週間やそこらで命を奪われるなんて・・・。
人間だけの地球じゃないのにねぇ・・・。
ごめんよ。”
昨年秋に突然連れてきた子猫ちゃん達を
可愛がり、しっかり育てる母猫として_
その姿を見てきただけに
私の罪悪感は、無事手術を受け、
数日の入院後 自然へ放してやっても
消えることはないと思う。
命の保護のために地道な活動をされ続けている、
団体の現場の方々に 頭の下がる思いです。
” 理想と現実 ”
どちらだけでも バランスは崩れます。
命にかかわることは、真剣で誠実に
向き合うこと。
命に対して、真剣すぎても
しすぎることはないと思うのです。
のら猫ちゃんを解放したあと、
もう顔を見せなくなるかもしれない・・・
別離は覚悟の上。
どの猫ちゃんも、同じ ではない。
わんちゃんも、そう。
人も、そう。
同じ魂は ない。
だから、
大切にしたいと思います。
出会いや縁があるということは
別離は必ずあるということ。
それがいつであっても、
惜しみなく愛情を持ち続けたい_
そう思います。
読んでくださって
ありがとう。
アガサ
子どもたちとお昼寝。
子離れのあと、奇跡的に我が家に1匹帰ってきた子猫には
家族が出来ました。
もう1匹は行方はわかりませんが、
元気でどこかで可愛がってもらえてることを祈っています。
追記:3月2日
野良猫ちゃんのことを思いやってくださるメールを頂き、
ありがとうございます。
その後のことを追記します。
退院後、引き取り、放しました。
かなり神経質になっていましたので、周囲を確かめつつ、
ケージの外に出て、姿を消しました。
何日も(もちろん)来ませんでした。
子猫を増やすことはないから、いいよね・・・
そんな未練たらたらの私は、カリカリをウッドデッキの
いつもの場所に置いておきました。
何日も来ませんでした。
当たり前と思う自分と、お腹が空いたらいつか来るんじゃないか、
そんな淡い期待をよそに、” 気配 ” さえ、消えたまま。
私自身、諦めが増してきたある日、夕闇が迫ってきた頃に
野良猫ちゃんは、姿を見せました。
以前の表情ではありませんでしたが、とにかく元気な姿を見れて、
安心しました。
※避妊・去勢手術をしたという印に耳に三角カットを入れました。
これは、手術済みの野良猫が再度手術を受けないよう
恐い思いをさせないで済むように・・・ということを
獣医さんがお話して下さいました。
もちろん、獣医さんは「どうしますか?」と私にお尋ねくださいました。
人間の快適な生活を送るために、
様々な動物達の生活圏が余儀なく奪われています。
人口へ減少の道へと辿るのですから、色々と考え直す、
見つめ直さねばならないことが増えていると思います。