父の愛

ご依頼を頂いてから当日まで一ヶ月以上もあり、

その間、心をこめたメールを何度か頂戴しました。

「 詳細には触れないでください。」

という私からのお願いをぎりぎり守ってくださり、

ご自分の心境を素直に、つぶやくようにお書きになりました。

依頼する方のお気持ちは、普通は 自分のことだけで精一杯。

” 会えるか、会えないか。”

” 自分の投げかけていることについて返事が来るか、どうか。”

” 感激する場となるか、どうか。”

ということで 精一杯だと思います。

Aさんも、不安と期待が入り混じる複雑な心境だったでしょう。

そんな心境に在っても 私のことを気遣ってくださる。

気遣いと励ましの言葉を 必ず メールに添えてくださいました。

日々いろいろあり、表に出てくる今年の幕開けだっただけに

心の底から Aさんの心遣いが 本当に嬉しかったです。

半月ほど過ぎた頃に頂いたメールには、こう添えてありました_

「 家族にアガサ様の事を伝えましたら、母も弟も、ぜひ同席したいとの事でした。

 ホームページには、2名までとの事でしたが、遺された家族3名、

 皆で会話を試みさせていただけませんでしょうか・・・」。

( お三人かぁ。この6畳程しかない、しかも江戸間だし

 窮屈な思いをして頂くことになるな。。。)

そんなことを気にかけながらも、

「 どうぞお越し下さい。」とお返事させて頂きました。

今年に入ってから、家庭や家族のことでさらなる配慮が

物理的に必要となり、時間配分を一層きっちりせねばと

思う回数が増えていました。

ご依頼人とお会いする前に伝わってくることは

” お預け ” にしようと、遮断しようと。

そう出来る日もあれば、そう出来ない日も ありました。

Aさんのご家族には、そう出来ませんでした。

お約束の時間30分程前から、私の内面は

もう私だけではありませんでしたから。

ミドルエイジ・・・50代ぐらいの男性が 私の周囲に存在される。

この方だ!と思いつつ、こういう時って一瞬、迷うのです。

話をするか、どうか。してもいいか、どうか。

けれど、安心できる空気を持たれたこの方に私は

心を開けることにしました。

< ・・・ろう >

どなたかのお名前を告げられる。

最初は聞こえづらくて、最後の方だけ聞こえてくる_

しばらく時間をあけて、またもや、

< ・・・ろう ・・・>

聴き取りづらい自分に イライラする。

私の気持ちを察してくださったのでしょう、

別のことを思われました。

待ちきれない思い。

話したいことがいろいろある・・・

それらをうまく伝えられるかどうか・・・

” ふたり ” で ちょっとそわそわして、落ち着きません。

次第に身体が寒くなってくる私は、

ストーブの近くにしゃがみ、指先に暖をとるも、じっとしてられない。

狭い部屋の中を うろうろしていました。

15分前ぐらいに、到着のお電話を頂き お迎えに。

お迎え場所に行き、この方だと思い お名前を呼ばせて頂きました。

可愛い(といっては失礼かな?)女性がAさん。

車には、綺麗な女性( お母さん?若い!)とご兄弟(良い息子さんだ)が

おられました。 同乗させて頂き、駐車する場所へとご案内しました。

アガサ部屋へご案内して、まずは、ちょっと一息つく。

私はその ” 機会 ” になると、室温、湿度、そして、酸素の状態まで

とても気になってしまう。自分でも、なんでそんなに?と思う程。

外界の些細なことでも、スイッチON状態の私にはとても大きく

影響するようで しきりに温度についてお尋ねしていました。

( 普段は そんな神経質ではないんだけどなぁ〜(笑))

そうして ゆるやかに あちらと波長を合わし始めました。

すぐに 先程の男性が 表れるものの、

( もう少し観察させてください。)

そう願っていても、やっぱり無理でした。

口もとが ゆるみ、むずむずし始める。

とても嬉しい!

この気持ちで 私は包まれました。

いろいろなことをお伝えしたものの、鮮明には思い出せません。

頂いたAさんからのメールに助けて頂きます。

– – – – –

(略)

私はあの時、驚きと戸惑いもあって、なかなか思うように言葉が出ませんでしたが、
今日の機会を持てて本当に良かったと思います。

アガサさんがおっしゃってたように、亡くなって間もないからか、
はっきりと父のことを読み取れない、情報が少ない部分はあったかもしれませんが、
ああ、父らしいな…と思うことが多々ありました。

私に対して言っていた○○の状態のことは、おそらく病床の父には話していなかった
と思うのですが、よく見ていてくれているのだな、と思いました。
そのこと に対し私はひそかに、「父なら諦めないでとことんやりつくすだろうなぁ」
と思っていたので、あの時、同じような言葉をかけられ、どきんとしました。

私なりの方法で、納得できるまでやってみよう、と思えました。

また、アガサさんが悩んでくださいました、
「家族四人で仲良くしてくれ」の「四人」の部分ですが、
おそらく、明日から夫になります私の婚約者のことだろうと思います。
あの場でお伝えできなくて、申し訳ありませんでした。気持ちがぐるぐるしていました。

父は、婚約者のことまで想ってくれているのか…と、
嬉しい気持ちと切ない気持ちと、頭をよぎっていました。

母に対する思いも、弟に対する思いも、皆それぞれに受け入れています。
弟は、父の遺影に向かって今の仕事について悩みを話していたようです。
強く心配していたことは、きっとそれに対してだろうな…と言っていました。
やはり、そばで見てくれているのですね。

(略)

– – – – –

ああ、そうだった!

家族4人、ね。

< 家族四人で 仲良くやっていってほしい。>

( 4人、ですか?)

< 4人です。>

( 奥様、娘さん、息子さんの 家族3人ではありませんか?)

< (笑)いえ、家族4人です。>

( う・・・ん。(悩))

こうした場面がありました。

私は ふと 犬ちゃんのことを想念でつかんだので

わんちゃんがいるのかどうか を尋ねてしまいました。

「 犬がいます。」と おっしゃるものの、

「 そうですか。そうなのかな・・・? わんちゃん含めて4人? う・・・ん。」

腑に落ちなかった、その時の私は、

Aさんからのメールで 納得いきました。

奥さんに対して、○○のことは忘れていないよと言われ、

息子さんには、ことの他の思い。

どうして?

こんなに素敵な、立派な息子さんに どうしてそこまで

寄り添われるのか私は首をかしげてしまう。

そういうことだったのですね。

ゆっくりとスタートしはじめ、輪郭がぼやけながらも

おおよその容姿、お人柄や性格をお伝えすること、

お伝えすることに “入り切っていた”私は、一段落つき、

意識を戻らせると、お三人それぞれ、

” 野球ボール ” 状になったティッシュをお持ちになっていた!

「 わぁ、こんなにティッシュ、使っちゃった!」

「 どうぞ、こちら(ごみ箱)に捨ててください。

  持って帰らないでくださいね。笑 」

そのあとは、私がいままで あちらの方々から話して頂いたことを

例にあげて 形式に拘る必要の無さも 少しお話ししました。

お子さんを視れば、お育てになった親御さんの心や精神が

わかります。

心や精神というのは、にじみでるものなのです。

繕うことなど出来ないし、突貫工事でどうにかなるものでも

ない。

とても印象に残ったご家族でした。

個人的に嬉しかったのは、

息子さんがきちっとした服装(スーツ)をお召になっていたこと。

いつもカジュアルな服装、普段着の私ですから、

見た目の話ではないんです。

ご依頼人の服装を云々ではないのです。

お若いのに、気遣いがお出来になる、というのが

とても逞しく、気持ちの良いものでした。

こういうことって 出来そうで 出来ないものですから。

情けない権力者達が、はびこっているこの日本において

若い方々が ぴしっとされるというのは 

とても気持ちの良いもので、心強いと感じます。

玄関先で失礼させて頂いた私は、

窓から、車に乗って帰ってゆかれるのを眺めていました。

お父さん!

お気持ち、わかるような気がします。

良いご家族を築かれましたねぇ。

本当に。

そんなことを話しかけたと思います。

父の愛、深きなり。

アガサ 葉山在住
天国との対話 愛しい家族との時間
~天国の人々の思いを伝えています~

+1

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Translate ≫