泣いて、笑って。

ご依頼を頂いてから、数ヶ月後の対面と成りました。

その間、日程のやりとりのメールに書かれた短文の端々に、

ご依頼人Yさんのお人柄が香ります。

たった一言でも思いやりの言葉を頂くと 単純な私は

テンションがあがります。(笑)

当日、Yさんがお越しになる前に、すでに” ご家族 ” がちらっと

来られていたと思います。

ああ、そうそう。

Yさんがお越しになる前に、こんなことがありました_

静かにしていますと、私の両方の耳をぐっと押さえられました。

( なんだなんだ? 耳がどうしたのですか?)

まぁ、後からYさんに伝えましょう・・・

静かにスルーしました。

Yさんがお越しになり、年代や容貌やお人柄などをお伝えし、

もうすでにおわかりなったようでした。

お伝えの際中に、さっきのことをハッと思い出したので

Yさんに申し上げました_

「 Yさんがお越しになる前、ご主人の耳、両方の耳を

 こういうふうになさるんです。

 この意味がわかりますか?」

ハッとされた様子で、すぐにこう話してくださいました。

「 主人は、柔道をしていまして、両方の耳がつぶれていました。

 でも、他の方々よりは ましでしたが。」と。

「 あぁ、なるほど。そういうことだったんですね。」

と納得した私でした。

「 あ、もしかすると、私へのイヤリングのことかも。」

そうおっしゃって、少しお話されましたが、

そのことについて、あちらかの返答は何もありませんでした。

「 イヤリングのことではないようです。

 むこうから何の返答も ありません。

 それに、私の体感では、イヤリングの感覚はありませんでした。

 ご協力をありがとうございます。」

少しでもニュアンスが違うと、それは、違います。

言葉ひとつ違うだけで意味も違ってきます。

神経質のように思われるかもしれませんが、大切なことだと考えています。

「 もうひとり、どなたかと一緒に来られているようです。」

その様子をお伝えしますと、

「 子ども、です。」

「 え?子ども?(おふたりの子にしては小さ過ぎるけど・・・)」

「 親戚の子です。」

「 あぁ、そうでしょうね。子どもとおっしゃってびっくりしました。」

と苦笑してしまいました。

ご主人が何かを話そうとされていたので、先にお話を聴くことにしました。

(これは・・・山や土地、広いなぁ・・・)

「 相続のことでお話があるようです。」

「 はい。」

Yさんの空気がぎゅっと緊張し始めたので、お尋ねになりたかったのでしょうね。

< 畑は、いつか良い人が出てくるから。そのままで。>

「 畑は、広い土地のことです、そのままでとおっしゃっていますよ。」

「 あぁ、良かった!揉めてたんです。結果、そのままになりました。」

「 そうですか。それは良かった。そのうち、良い人が出てくるからと。

 慌てなくて良いようですね。」

< 山も・・・周囲の人達の役に・・・>

「山」についてお伝えしようと思った矢先に、

待ちきれなかったYさんは、話し始められました。

ご主人のことが嬉しかったのでしょうね。

「 山もどうしようかと思っていたんです。

 子どもに遺して、手数になったら可哀想だと思っているので。

 近所の人の荷物をね・・・」

「 ええ。ご主人もそうおっしゃっていますよ。『 周囲の人に役立てて 』と。」

「 そうですか!良かったぁ。」

「 ご夫婦で通じ合っておられますね。なんだ、私の出る幕じゃないですね。」

と大笑いしました。

もちろん、冗談です。でも、正直な気持ちです。

< 息子が・・・いつか・・・使うから。>

( そうなんですか。奥さんなら大丈夫ですよ。ご安心ください。)

相続で大変な思いをしますと、自分の子どもには家族には

同じような苦労をさせたくないと思います。

つくづく、そう思います。

Yさんのそのお気持ちも、実経験をもった私にはとてもよくわかるのです。

< ・・・テル・・・>

( てる?)

何度か、「 テル 」という言葉が繰り返されるのですが、

音としては似ているように思えるのですが、

完全な音ではない 何か違うような気がしつつ・・・。

「 ご主人が『 テル 』という言葉をおっしゃるんですが、

 どなたかのお名前で心当たりがありますか?

 なかったら、私の聞き間違いです。」

考えてくださっていたのですが、心当たりがなさそうでした。

< 家族で旅行・・・良いもんだよ。>

「 ご主人が旅行のことをおっしゃっています。」

「 はい。わかります。

 以前、主人が『 退職したら旅行に行こう。』と言ってくれたのに

 私は『 友達と行った方が楽しい。』って言ってしまったんです。

 今は、そんなこと全く思いません。

 それに、イヤリングのことも・・・。

 滅多にそんなの買わない人なのに、折角買ってくれたら、

 『 イヤリングなんて、耳が痛くなるから。要らないのに。』って。

 主人が寂しそうな顔をしたんです。

 ひどいことを言っちゃった・・・。」

そう話されて、泣かれました。

ついね、言ってしまうことってあります。

親切にしてもらっても、嬉しいって心底思えない時も。

多分、照れもあるのだと思います。

「 ご主人からは、イヤリングのこと、旅行の断り?について

 執念深いものは(大笑)何もありません。

 お気持ちお察し出来ますけれど、何も終わりじゃありませんよ。

 今からでも、イヤリングをお付けになったらどうです?

 耳が痛くなるなら、10分でも、5分でも。

 『 ほら、イヤリング、付けてるよぉ〜!』って見せてあげれば

 良いじゃないですか。(笑)」

私からの提案に、ふたりで大笑いしました。

何でも悲しく結びつけないでほしいと私は思うのです。

後悔する気持ちも分かります。

だけど、謝って欲しいなんて、ご主人はおっしゃってないのですもの。

ご主人は、その後もいろいろなことを話してくださいました。

気さくなYさん。

ご主人と通じていたことを確信されたようでした。

以下、頂いたメールの一部に助けて頂きます。

– – – – –

(略)

久しぶりに主人に逢え、とても幸せな時間でした。
帰り道も主人はいつも近くにいるからこれからは頑張って生きていこう。
と思えることができました。

家に着いてからすぐに畑に行き、ありがとう。と伝えました。
これからは畑仕事も苦にならずにできそうです。

あれから、アガサ様からお聞きしたことを考えていたところ、
(てる)という言葉なのですが、
主人もすごく可愛がっていた○の子供が、
里帰りしている時事故で亡くなったのです。
その子の父親の名前が(テ○ル)と言います。
彼は事故後仕事もできず安定剤と睡眠剤を飲みながら家にいます。

(略)

– – – – –

ご主人は、可愛がっていた親戚の子どもと一緒に居るから

安心していいよとおっしゃりたかったのだろうと推測します。

子のお父さんの状態を思いますと、胸がしめつけられる思いです。

いつか、必ず、立ち上がられることを心から祈りたい思います。

夫婦の会話って面白いですね。

月日が経てば経つ程、照れが出てくると思います。

慣れていても、夫婦というのは親子ではありませんもの。

素直になれば良かった、

もうちょっと言い方があった、

いろいろなことを思って、私たちは生きています。

素直で在り続けることも勇気がいるし、

何が善いのかは、一概には言えません。

だけど、

悪かったなと思えば、その時から、行動に移すこと。

ばっと変わるなんて出来なくても、ちょっとだけ。

ちょっとずつ 少しずつ。

自分の心の中の動きだけでも 一歩ずつ。

そういうことの積み重ねが

いつしか、習慣となってくるんだと思います。

あ、そうそう。

ご主人は、あちらで「 飲み友達 」と楽しんでおられるのでした。

これについても、Yさんとふたりで大笑いしました。

泣いて、笑って。

人生は、深くなる。

素晴しいことです。


新緑の季節。
新芽の緑が眩しいですね。
この写真は、前橋写真の新緑です。
新緑の雰囲気も、土地土地によって違うんですね。
この自然を子どもたちの将来に繋げたいと思います。

アガサ 葉山在住
天国との対話 愛しい家族との時間
~天国の人々の思いを伝えています~

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