オカン!
当日の二日前、突然、近所・・・といっても私からすると遠く
行ったことのないエリアへ子どもと自転車で登ることに。
電動付き自転車なのに、充電を忘れていたので自力で登る私。
子どもは慣れた具合に、でこぼこ道も、ものすごい坂道も行く。
しばらくすると、自動車の騒音は消え、閑静な住宅街へ。
やっとの思いで、公園に到着。
古いブランコがあって、あたりは背の高い木々。
ちょっと不思議な・・・妙な懐かしさが胸いっぱいに広がりました。
私の懐かしさではなく。
そうしてこの懐かしさは、その日じゅうに流れていきました。
Yさんのお電話を頂く前、特に特別な気配もなく、
静かに過ごせるなと思っていました。結果、予想外れ。
< ・・・大丈夫、私たちが見てるよ、と伝えてください。>
( あなたは?)
返事を返されることなく消え入られたお祖母さん。
一瞬、懐かしいアノ匂いがした。
子どもの頃、虫さされに塗った「 キンカン 」。
( キンカンかぁ・・・Yさんに尋ねてみよう。)
しばらくすると、私の手足は寒くなり冷たくなり、
圧迫されてゆき息苦しくなりました。
( 寒い。長い靴下でも履こうかな・・・)
長そうな靴下を出してきて履いていたら、
< 寒い思いをさせて、ごめんなさい。>
突然、若い男性の声がしました。
( いえいえ、良いんですよ。大丈夫です。)
< 母は、明るいんですよ!>
( そうなんですか。お電話を頂いたら、ご本人に尋ねてみます。)
ちょっと間を置いてから、
< ありがとう。>
( 何がですか?)
< 自転車の時。>
( あ!あの時の!?)
< 子どもん頃、思い出せた。懐かしかった。ありがとう。>
今思い出しても、私は涙が出そうになります。
胸いっぱいに広がったあの懐かしさは、この青年の仕業だったのです。
< こんなことになるって思わなかった・・・
・・・悲しい思いさせて ごめん。>
そう言って、この青年の声は終わりました。
Yさんからお電話を頂き、十数秒後ぐらいに、
さっきの青年が来てくれました。
< さっきの、ほれ、(言って)>
( あぁ、さっきのね。)
Yさんに、健康状態などを伝え、キンカンの匂いがしたことを伝えると、
驚かれたようで、嬉し泣きされていたようです。
「 主人の母です。」
「 そうですか。このおばあさんが『 大丈夫。私たちが見てるよ。』と
おっしゃっています。」
「 はい・・・(涙)」
「 若い青年が、あ、青年は若いですね、すみません。
息子さんが『 母は明るいんです。』って言われるんですよ。」
「 はい(泣き笑いしながら)」
「 息子さんは、優しい方です。」と切り出して、
手足が寒くなった時に長い靴下を履いた時の配慮の言葉を
伝えました。
「 そうです。息子は優しい子です。」
数日前の自転車のことを伝えると、返事にならないほど
泣いておいででした。
< あれ、あれ、言うて。あれ。>
( あれ? あぁ、あれね。)
「 息子さんは、少年野球をされていましたね。」
「 そうです、そうです!」
彼を包む空気は、とても満足そうに思えました。
このあたりから、非常に流れが速くなりました。
< 俺、その場所に居ーひんで。
そこに行かんでええで。花とかそんなん要らん。>
「 息子さんが、、、そのぉ、、、その場所のことをおっしゃっています。」
「 はい。私は、まだ、行けないんです。」
「 ええ。それで良いです。息子さんは、
『 おれ、そこに いーひんで。いかんでいい。花とかそえなくていい。』
とおっしゃっているんです。」
「 そうですか!そこにはいないって。息子が長男が花を添えに行ってくれました。」
「 彼は感謝の気持ちをこめて、あのようにおっしゃっています。」
「 わかります。わかります。」
< おかん >
(おかん?あぁ、お母さんのことね。)
「 彼がYさんのことを『 おかん 』と呼ばれますか?」
「 はい!おかんって言います。」
息子さんは、お兄さんに、妹さんに、お父さんに一言ずつ
おっしゃっていました。
「 何かご質問はありますか?」
「 はい。何か言いたいことはありますか?言い残したことは。」
< さっき、言うたやんけ。(笑)>
「 Yさん、息子さんが『 さっき、言うたやんけ。』っておっしゃるんです。」
「 あぁ、そっか。そうでしたね。」
「 私も息子も健康なんです。あの子は私の身代わりになったんではと・・・」
Yさんが話の途中にも関わらず、
< アホか!何言うとんねん!オカン。>
「 すみません、息子さんは『 あほか!なにいうとんねん!おかん。』って。」
< 身代わりなんか あるわけないやろ!>
「 みがわりなんか あるわけないやろ!ですって。」
私は、このあたりで笑ってしまったと思います。
息子さんの喋り方があまりにも面白くて。
「 Yさん、私、息子さんのおっしゃってることはとても正しいと思います。
家族といえども、身代わりというのは、ないと思います。
運命というのも、彼が言うとおり、決められてることってないと思います。」
Yさんは、泣きながら納得されていました。
< 俺、忙しいんや。みんなのとこ、行ってるし。>
「 息子さん、忙しいのですって。皆さんのところに行ってるって。」
「 私は兄弟多いし、みんな仲が良いから。そうですか。忙しいって。」
「 私と私の姉妹に何か言うことを聞いてもらっていいですか?」
「 もちろんですよ。」
< 愛してるでぇ〜!>
( へ? それ、言うんですね、私。)
「 ちょっとおちゃらけながらね、
『 愛してるでぇ〜!』っておっしゃっているんですよ(笑)。
おわかりになります?」
「 そういうこと、言うてました!そうですか!そうですか・・・」
泣いて、泣いて、泣いて。
< オッサンに、からだ、気ぃつけぇ〜 って言うといてもらえます?>
「 お父さんのこと、オッサンっておっしゃっているのですが。」
「 ええ。そう言います。仲が良いです。」
「 身体に気を付けてって。」
1時間経とうとした頃、
< オカンがババァになったら、俺、迎えに行ったるから。安心せぇ。
みんな、迎えに行ったるからな!(大笑)」
おちゃらけながらも、真面目な顔して話した彼。
「 おかんが ばばぁになったら、おれ、むかえにいったるから。安心せ。
みんな、むかえにいったるからな!って。」
多分、電話前で泣き崩れておられたと思います。
悲しさだけではない、涙だと思います。
「 息子が喋っているみたいです。ありがとうございました。」
「 ええ、喋ってるみたい、ではなくて、喋っておられたんです。
ついていくのに、私、必至でした。
私のことまで思いやってくださった。それがとても有難かったです。」
お仕事中の突然の事故。
みんなのことを思っていた息子。
みんなを愛し、
みんなから愛されている息子。
息子さんご本人が、
< 火の消えたみたいな、元気なさ。>とご自宅やご親戚の家を
おっしゃっていたそのまま、
Yさんは「 火が消えたようです。」とおっしゃっていました。
” オカン! 何言うとんねん!”
大笑いしながら、
そうおっしゃっている息子さんの声が
聞こえてきそうですよ、Yさん。
オカン、か。
良い響きですね。
真っ黄色のかぼちゃの花が咲きました。雄花だそうです。
ということは、雌花というのがあるんだね?
ということは、ミツバチや他の虫たちが来ないと、だね。
最近は、ミツバチが減少したと言われたり、支援先から送られてくる小冊子にも
そう書かれています。(まあ、大抵は、ニンゲンの素行が原因なんですよね。)
さあ!見事、実になるでしょうか!?
バターナッツかぼちゃ、楽しみです。
私「 こっちのかぼちゃも、育ったね!」
家「 ・・・そっちは、きゅうりだよ。」
私「 ・・・前も、そう聞いたね、私。」
家「 うん。何度も同じことを言ってるよ。」
・・・まぁ〜、いいでしょう。(笑)
家族が借りている町民農園の野菜達の収穫は、ぼちぼち始まっていますが
家のプランター菜園のは、ちょっと育ちが鈍いようです。
土壌がね、限られていますから仕方ないですね。
ニンゲンもそうかなぁ〜
思いっきり、根を伸ばせるところだと のんびりしてて良いですね。
アガサ 葉山在住
天国との対話 愛しい家族との時間
~天国の人々の思いを伝えています~
想像を絶する悲しみを経験され、生きる辛さを味わった方だからこそ
再会のその時は、想像を絶する幸せがあると思います。
言葉を越えたしあわせです。
いつも、ありがとうございます。
アガサ
方言で伝えられる、それを読む、というのは、とても強烈な印象を与えられます。
私は、方言が大好きです。何とも言えない"味"を感じます。
家族は、皆、そう思っていますよ。
ご依頼くださる方々は、皆さんそうです。
ご家族を愛し、大切な人を愛し、ペットたちを愛し。
引き寄せ、という言葉は私は苦手で好みませんが
私たちがその時を迎える際には、必ず 愛で繫がっている家族や人、動物達と
再会するでしょう。
その時の光景は、例え切れません。圧倒されると思います。
そこに言葉は・・・出ないだろうと私思うのです。
その時が来るまで、私たちは地道に誠実に生きることが大切だと考えています。
地味に生きることは、誰にでも出来ることではないからです。
派手に生きるのは、欲と感情に溺れれば誰にでも容易いこと。
お嬢さんも、もちろん元気でおられますよ。
いつだって、彼女はそうですよ。
いつも有難うございます。
アガサ
「迎えにいったる!」
嬉しい言葉ですね。
人生最後に最高のご褒美・・・頑張り甲斐があるってもんですね。
個性もそのまんまってところが、本当にうれしいですね。
顔が見えた瞬間、全速力で抱きしめに行くし、話したいこと山ほどあるし、想像したら、嬉しすぎて・・・・涙が止まりません。
いつも幸せのおすそ分け、ありがとうございます。
迎えにいったる
いいなぁ羨ましいなぁ。
今度娘に逢えたらそんな言葉が聞きたいです。
でもまだまだ先って言われるのも怖くてとてもとても聞けませんでした。
それでもここでいただける幸せのお裾分けは心の栄養になっていきます。
ジワーって染み渡ってくるように。
しっかりした青年の言葉に、
思わず娘と比べてしまってクスって笑ってしまいました。
笑ってしまった私に、ほっぺたプッてふくらませた娘の顔がうかんでまた幸せになりました。
元気でいるんですね。