心、亡くしていた。
すっかり夏。
夏らしい晴れの日とは違って、
何かすっきりしない、重い気持ちのような・・・
どすんとのしかかっていました。
( とにかく、ご依頼人さんをお迎えする準備をしよう。)
私の家族に、今日のご来訪時間帯を伝えてから準備開始。
玄関を掃除している時に、階段の上の方で私の方を
うかがっておられる若い男性に気づきました。
( もうすぐ、部屋へ行きますから、大丈夫です。)
お越しになる方が通られるところだけ、(笑)
物を移動させ掃除して、ようやく準備OK。
静かな時間を持つためにアガサ部屋へ行きました。
若い男性が来られていました。
( やっぱり あなたは、今日の方ですね。)
心に 鬱積としたものをお持ちなようなので、
それ以上は話しかけませんでした。
< ・・・あれもこれも・・・本当に忙しかった。>
< ○。ー ○○ー>
( どなたかのお名前だな・・・)
話に集中することもなく、静かにしていますと、
( この方は、Mさんと仲が良いんだ。とっても。)
ということがわかりました。
でも、不思議な感じ。
緊張感に似ているようなものがこの部屋全体に広がり、
私の内面まで複雑な気持ちでいっぱいになりました。
集中しづらくなってきたので、終了。
( あなたと話さないといけなくなるな、今日は。)
< ・・・>
( 思っていることを言うことも大事だと思いますよ。)
返事をされることもなく、どこかへ行かれました。
お待合せ場所到着のご連絡を頂き、そこへ。
私を見つけてくださったご依頼人Mさんは、
とっても可愛い、今の若い女性らしい方でした。
車の中には、” ご両親 ” がおらました。
部屋にお越し頂き、ぼちぼちと始めました。
最初に、
お母さんの方に行かれ、泣いておられるようなその男性は、
< ごめん・・・>
とおっしゃっいました。
何か言いたいのに、言わない。
若い男性は、緊張されているのか、交流が一定しません。
けれども、お伝えしていくことについて
ご依頼人さんとご両親はそれぞれに反応されておられたので
確認をとらなくても、空気から伝わってきます。
30分程経った時に、私は、” しびれを切らし “ました。
( あなたが聞きたいのに言えないのなら、私が言うわ。)
お父さんに対して、彼は特別な気持ちを持っているのです。
具体的なところはわかりません。
けれども、彼には明らかに自分を認めてほしい、認められたい、
という気持ちがみてとれました。
「 息子というのは父親に対して、同性だからかわかりませんが
何か特別な思いを持つようです。
息子さんは、言わないんですけれど・・・けれど、彼は
お父さんに何か一言でも良いから言ってほしいのです。
褒めてほしいのかも、しれない。」
お父さんは驚かれたと思います。
私がお父さんなら、複雑な気持ちになると思います。
親が然程思っていないことでも、子どもにすれば
心の中の片隅にずっと居座り続けたものがあります。
必ず在る、というわけではないのですが、
やっぱり、親子であっても夫婦であっても、人それぞれです。
そこは理解したいと思っています。
お父さんは、理解してくださり、
「 一生懸命にやってると思うよ。家族を養って、ね。」
というようなことを話されたと思います。
お父さんが話し始められたまなしから
彼はとても感激されていました。
彼の中で認めてもらっていたんだという気持ちが一気に膨らみ、
感涙されていました。
これがキッカケとなり、
彼は一気に軽やかな空気に変わりました。
本当に嬉しそうでした。
今度は私が驚く番だったようです。(笑)
お母さんの一言で_
「 あのぉ、以前に息子は来ていましたか?」
とおっしゃいました。
「 以前、ですか?」
考えても、思い出そうとしたのですが、無理なことです。
「 すみません。覚えていることが無理なのです。すみません。」
「 いえ。いいんです。」
「 以前、ということですが、私、皆さんとお会いしたのは
今日が始めてです。お父さん、お母さん、Mさんとも。」
お三人は顔を見合わせながら、もごもごされていたので
「どうぞ、おっしゃってください。何も遠慮されないで。」
と言いました。
Mさんが、
「 確か、○月ぐらいに私の両親が来ました。」とおっしゃるのです。
「 え、Mさんのご両親?こちらの方は?ご両親ではないのですか?」
「 はい。主人の両親です。以前に来させてもらったのが私の両親です。」
「 はぁ・・・( 頭が混乱中 )」
「 親子だと思っていました。だって、とても自然で・・・(ぼんやり中)
えぇ?!そうなんですか。」
と、鈍い私はようやく理解出来ました。
「 本当に良いお嫁さんを連れてきてくれたんです。」
お母さんはお父さんと顔を見合わせながらそうおっしゃっていました。
「 ええ、そうですよね。とても、自然な感じですから。」
と、私。
お母さんの一言で、私の中でのもやもやが紐解けました。
「 あぁ、そういうことだったんだ・・・」と独り言。
彼は、とても忙しかったのだということ。
忙しくなってからはケンカばかりしていたから、Mさんは、辛かったって。
Mさんがご自分の気持ちを話されているのを、私はまるで
ヴェールのこちら側で聴いているかのようでした。
「 ○。ーという部分は、子どもの名前です。」
はっとして私はこちらに戻ってきて、
「 あぁ、そうなんですね。」
< とても明るい子なんですよ!>
( あぁ、そうですか。)
「 この子はとても明るい子ですね。」
「 そうなんです。とっても明るい子です。」とMさん。
< いままでのように、両親との繋がりをもっていてほしい。>
( そうね。Mさんはとてもお若いわ。言います。)
「 彼が、『 両親といままで通り、繋がりをもっていてほしい。』
とおっしゃっています。」
「 はい。」
「 これは、彼の気持ち、ですからね。強制ではありませんよ。(笑)」
いらんこと言うな、って自分で思いました。
私の意見など言う場ではありませんからね。(苦笑)
Mさんが何やら話され始めたようです。
私は、ふらふらしていました。
< 愛している。>
( あなたのご両親がおられますよ。笑)
< 愛してると、伝えてください!>
かなり急かされました。
( わかりました。伝えます。ご両親の前でも、いっか。)
「 Mさんにおっしゃりたいことがあります。」
「 はい。」
「 彼が『 愛している。』と何度も言っています。」
Mさんは泣いておられました。
「 ご両親がおられるのに、言い難いじゃないのと思ったんですけど
せっつかれますので、言いました。言わなきゃね。彼の気持ちだから。」
私はご両親の方をちらっと見て、にやっとして言いました。
Mさんは、話の途中だったように思います。
そんなに長い話ではなかったと思います。
人の話を聴いてるか聴いてないのかわからない感じのアガサが
言い終わる前に、彼の気持ちを伝えてこられたことが、
Mさんご自身の問いかけに対することだったから
余計に嬉しかったんじゃないかなぁ〜 と思います。
「 彼は、お子さんとよく遊んでいますよ。
お子さんが独り言を話していても、そっとしておいてください。」
「 はい。わかりました。」
ぼちぼち、回想限界です。
Mさんから頂いたメールの一部を掲載することで
話が飛び飛びの私の回想を引き締めて頂きます。
– – – – –
今日は主人が来てくれたと分かりました。
(略)
亡くなってからまだ○ヶ月で、私自身まだまだ信じられなくて
子供達もいるので、なんとか頑張ってきましたが
主人の最後の気持ちや主人を少しでも感じられたら…と
そんな思いで依頼しましたがほんとに主人が出てきてくれて、
本当に大切な時間でした。
話の中でも主人を感じました。
主人から愛してるとアガサさんから伝えていただいた時
涙が止まらなくなってしまいすみません。
わたしにとって本当に大事な大切な人で
今もこれからもずっとずっと愛しているので
主人にこの想いは伝えたいです。
(略)
心にひっかかってた事が少し楽になった気がします。
– – – – –
彼は、とても忙しいかったと話していました。
彼の忙しさを疑似体験した私は、内心、
( こら、危ないな・・・)と思い、ぶるっとしました。
忙しいのは、心を亡くすんだなとあらためて思いました。
頭ではもちろん知っていますし、私も何度も経験していますが、
人様のそうしたことを体験するのは、全く違う感じがします。
ケンカもよくしたのは、わかる。
もう、いっぱいいっぱい状態。
パンパンというか、ギリギリというか。
ふっと どこかへ行きたくなってしまう。あの感じ。
仕事は生きるために、大事なことですが、
自分を追い込むまでしてやることは、ちょいと違うなと思います。
私もよく自分を追い込むんですけどね。(苦笑)
もともと、大雑把な性格ですから、私の場合はそれが ” 抜け道 ” に
なってくれているんでしょうね。
何かの圧力に、巻き込まれてしまうと
心を亡くしてしまう状態(忙しい)になります。
気づいたら、そうなってしまうというのが
私自身を振り返って、
彼との交流をさせて頂いて、そう思いました。
Mさん、ご主人は、怒っていません。
仲の良いご主人です。
Mさんが毎日、愛しているとおっしゃっていることを知り、
自分の思いを(私を急かして)おっしゃったんです。
最近、” 心の若さ ” を亡くしかけていた私にとって
気づくことが多かった交流になりました。
ありがとうございます。
昨日、選挙でしたね。
ご依頼がありましたので、朝一番(7時過ぎ)に行きました。
子どもに「 行く?」と尋ねますと「行く!」と言いましたので、
連れ立って歩いて行きました。
まだ暑くなる前の時間はとても爽やかでした。
帰ろうとした時に、子どもが「ちょっと来て。何かの鳴き声がするんだよ。」
と言ってきました。
確かに。聞き慣れない声がします。
心配になってきた私と子は、「どうする?探す?」と話していました。
その矢先、わんちゃん達のお散歩をされていたご婦人が通りかかり、
「このあたりは、いろいろな鳴き声がするよ。」と言われました。
心配そうな顔をしていたんでしょうね、私達が。
ご婦人がむこうに行かれたあと、私は帰ろうとしたのですが、子は
「 だけど、確かめたいんだ。」と言うので、「うん。じゃぁ、そうしよう。」と私。
その鳴き声は、りす でした。
どこかに挟まっているようではなかったので、神社を後にして、帰りました。
帰る途中、大きな朝顔がたくさん咲いていました。
今では珍しいミツバチも数匹いて。
子が私のガラケーで撮った写真です。なかなか上手く撮れています。