どこにいても
春はイメージとは違って、雨が多いですね。
お越し頂く時には、しのぎ易い方が良いなといつも思います。
どれだけ電車を乗り継ぎ、どれ程長くの時間をかけて来られるのか・・・
遠路はるばるお越しになる方々のお心や決意の強さに思いを馳せながら、
数年に一度程度に帰郷する時に「遠いなぁ」とブースカ思う私の心の狭さに
我ながら情けなく思うばかりです。
Mさんが来られる当日、準備を終えた”静かな時間”に
30代後半ぐらいの男性が来られました。
< よろしくお願いします。>
そうおっしゃって一礼なさいました。
( 私の方こそ、どうぞよろしくお願い致します。)
静かな時間を得るために、瞼を閉じました。
瞼を閉じているにも関わらず、眼球がひどく乾燥して来ました。
( あらあら。眼が乾燥するなんて、珍しい。)
そこには、画面を見ながら黙々とお仕事をなさる姿が在りました。
( あなたは、眼を使いすぎですよ。まばたきをしなきゃぁね。)
そう話していますと、心臓が痛み出しました。
しばらく、継続的に痛みがありました。
( わかりました。心臓が痛かったのですね。)
瞼を閉じていることに飽きてきた私は、眼を開けました。
ぼんやりと外を何気なく見ていたところ、
< こういう・・・このままが心地良いんです。>
( そうですか。Mさんとあなたのご関係のことですね?)
< どちらかが 何か責任を感じていくのは、
息苦しく思えるんじゃないかと思うんです。>
( 結婚、ということですね。責任というのは息苦しい面だけではありませんが、
あなたのお気持ち、わかるように思います。)
< 彼女と一緒に居ることは、とても自然なんです。>
( そうでしょうね。伝わってきますよ、あなたのお気持ち。)
少し話が途切れたところで、何気なく外を見ていたところに
二羽の鳥さん達が電線にとまりました。
( あら、まぁ〜。偶然にしちゃ〜、出来過ぎだ。笑)
偶然というのは、本当に面白いものです。
鳥さん達をぼんやり眺めていると
< 金のネックレス・・・>
( 金の? ネックレス?)
と話され、返事をしましたが、その返事はありませんでした。
< どこに行っても、そばにいるから。と伝えてください。>
( それは、どういう意味ですか?引越のこと?)
Yesのような、そこまでハッキリしていないような感じでした。
Mさんが来られる前に話し込んでしまいますと、私、
疲れてしまいますので、話に区切りがついたところで
こちらに切替えました。
Mさんをお迎えしてからの交流のことは、ついこの間ですが
思い出せません。
彼女から早速頂いたメールに大いに助けて頂きましょう。
– – – – –
(略)
頑固な彼はまだまだ健在なんだと安心しました。
頑固すぎてアガサさんに不愉快な想いをさせてしまったのではないかと少々心配しております。
(ア:あちらから不愉快な思いというのは全くありませんよ。大丈夫です。)
二人の想い出詰まった部屋や仕事の事…
悩んでいる私を彼は見ていてくれてるんだと改めて思いました。
彼が亡くなってからも部屋はそのままで「執着」しているだけなのかもしれません。
この部屋を離れたら彼が寂しがるんじゃないか、
彼との想い出が消えて無くなるんじゃないか、
彼だけ置き去りにさせる訳にはいかない…
そんな事を考えていた私に
彼は一歩踏み出す「道」をひとつ作ってくれたのかもしれません。
「何処に行ってもずっと近くに居る」と。
だから縛られる事なく自分の道を歩けと背中を押してくれた気がします。
勿論決めて行動するのは私自身ですが、独りではないと改めて感じました。
(中略)
彼は彼のまま。
少し若くなるかもしれないけど必ずいつか逢える。私の好きな彼に。
だから私も彼の好きな私のままで居ないと‼と思いました。
– – – – –
交流が終わってからも、お話する流れになりました。
多分、Mさんにとって必要だったのだろうと思います。
Mさんが来られる前日から、ちらちらと気になっていた一冊の絵本。
そのことさえもすっかり忘れていたのですが、
交流が一段落してから、また、その絵本のことが気になりました。
これは、お貸しした方が良いということ。
過去に何度かそういうことがありましたので、
あちらの考えだろうと思いました。
私の大好きな絵本の一冊です。
荷物になりますが、お持ち帰り頂きました。
心ゆくまで眺めて頂きたいので、無期限で貸し出しです。(笑)
< しあわせになることを願ってる。いつも。>
彼は、私にはっきりとそうおっしゃいました。
あちらの方々の言葉というのは、心がこもった上での言葉
ですから、とても心に来ます。
Mさんがご心配になっていたことは、
他界すると何か無形のような、魂だけのような感じになって
遠い存在になってしまうのではないか?・・・
すぐに生まれ変わって、別の人になってしまうのなら、
Mさんご自身が天命を全うされた時に会えないのかな?・・・
ということ。
お気持ち、とてもよくわかります。
そうした本にはそう書かれていたり、
こちらの方々がご自分の考えや感覚が正しいと信じ込んで
そのようなことをおっしゃっているのが多いようです。
肉体をまだ持っている私は、そこらへんの実情は、よくわかりません。
だけど、交流を通して話されたことならお話し出来ます。
今まで、他界してすぐに、人が全く別の何かに成るなんて
言われたことがありません。
それに。
何一つ、不安なことや悪いことなど言われたことがありません。
どこに居ても、どこに行っても、
” しあわせになることを願っている。”
それが、彼の思いです。
心です。
私も、そう思います。
こんなに綺麗に咲かせてくれました!
最初に咲く花は、大きいですね。野菜たちもそうです。
次から次へとつぼみが出てきて、とても楽しみです。
切り花にしてしまうのは可哀想な気持ちになりますが、
アガサ部屋をお越し下さる方々のために、昨年に植えたラナンキュラス。
存分に彼女達の美しさをご覧頂きたいと思います。
アガサ