エビフライ
家族たちとの日常で、私はほぼ関西弁です。
人生の半分が関西、半分は関東で過ごした私は、どっちつかずの
混ぜこぜの話し方。
どちらも大切だけど、どちらか一方を特別扱いはしません。(笑)
そんな私が、関西弁をとても懐かしく、愛着をおぼえたのは、
Kさんのご依頼お約束日数日前ぐらいだったと思います。
自分で話す言葉や内容が、とにかく面白く思えたのです。
自分でしゃべって、ウケるという二役。
( アカン。とうとう、頭がおかしくなってきた。)
そう言った自分にさえ、ウケる始末。
面白く聞こえてしまうのも、ちょっと不思議でした。
朝のわんこ散歩の行きし、何やら、どこかから懐かしいニオイが
漂ってきました。
< あ!どっかで弁当作ってるわ!懐かしいなぁ〜!>
< これは、(くんくんと匂ぐ風)卵焼きやなぁ。ええ匂い。>
( そう言われると良いニオイのように思えてきました。笑
どこかのお母さんがお弁当を作っておられるんですね。)
わんこ散歩の帰り道は、小学生の子どもさん達、
中学生の生徒さん達の通学時間。
見慣れた日常風景です。
< 中学生なのに、高校生ぐらいに見える(思える)。背、高いなぁ〜 >
と不思議に思われていた様子。
( 最近の若い人達は、背が高い人達が増えましたね。私の時代とは違います。)
< 小学生が、もう中学。中学生が、もう 高校。早いわ。>
( 子どもが成長するのは、早いですよね。親は年とりますね。)
と私は心の中で笑っていました。
※歩いていて突然笑ったら、周囲の人達が気の毒ですからね。苦笑
その直後、父親が娘達をとても大事に思う心が、私の心にも
広がってきたのです。
( うちの子は男の子なのに・・・娘がいるように思えるのはなんで?)
ようやく、わかったのです。
Kさんのご家族ではないかということが。( 遅い!鈍過ぎる!)
娘さん達がいらっしゃるんだ・・・
そうなのか・・・
目頭が熱くなりそうなのをぐっと堪えながら、
わんこ散歩の帰路を歩いていました。
散歩から帰ってきて1時間後、家族を見送っていた時、
家族の前を突然、1台のバイクが飛び出してきました。
明らかに、バイクの前方不注意です。
家の中で手をふっていた私は、手をとめ、
「 危ないやんけぇ! 気ぃ、つけぇ〜やぁ!」
とバイクを睨んで、関西の男性のような話し方を無意識でしていたのです。
※こわいおばちゃんですねぇ! おっさん?(笑)
家族は、そうしたことにはものすごく注意を払っているだけに
自分がカッカ来ていました。
でも、まぁ、事故にならなくて済んだと思えば、良いじゃない
と無理無理思い直すことにしました。
※自転車感覚で乗っているバイクが多いと思います。危ないですよね。
( もうおひとり、お若い方、お若い男性の方がご一緒ですね?)
< そうなんですよ! 息子ぐらいの年代の子ぐらい。笑
話が合うんで、仲が良いんですよ!
息子というよりは、友達かな?!>
と大笑いされたのです。
( えらい年が離れた友達ですねぇ!よかったですねぇ。)
とすっかり、関西弁につられ、大笑いにつられ、
飛び出してきたバイクへのカッカも本当の意味で鎮火しました。
Kさんのご家族のお人柄のおかげです。
それではこのへんで、Kさんのメールをご紹介します。
– – – – –
(割愛)
主人が亡くなった時、長女が中学◯年生で次女が小学◯年生でした。
主人が中学生を見て、当時中学生だった長女の事を考えていたのか、
小学生だった次女が大きくなった事に想いを寄せていたのか分かりませんが、
主人が子供達を大事に思ってくれている気持ちが伝わってきました。
(割愛)
最初にこの話を聞いた時は、子供2人ともバイクには乗らないので、
事故に気をつけるようにとのメッセージかなと思いましたが、
あとで主人が若い男の子と仲良くしていると聞いて、弟に間違いないと思いました。
弟は16歳でバイク事故で亡くなっていて、前回は来てもらえなかったので、
今回は来てくれたら良いな〜と思っていました。
来てくれたうえに主人と一緒にいるんだと聞いて本当に嬉しかったです。
(ア:本当に良かったですね。ご心配だったと思います。良かったです。)
相変わらずよく喋って面白い主人の話を聞かせていただけて嬉しかったです。
アガサさんの周りをウロウロしている主人の姿を想像すると少し可笑しくて
笑ってしまいましたが、海老フライの件は厚かましいな〜と申し訳なく思いました。
海老フライは主人は好きでしたが、子供たちも食べないし面倒なので作る事は
殆どありませんでした。
今日の晩ご飯は久しぶりに海老フライにしようと思います。
前回の交流では、交流の内容を子供たちに伝えることが少し不安でした。
信じてくれるだろうか?反発されるのでは?
ドキドキしながら伝えました。
今回は伝えるのが楽しみです。
お父さんが近くにいてくれてる事、自分たちを大切に思っていてくれている事。
主人からのメッセージを丁寧に伝えようと思います。
(割愛)
– – – – –
そうそう。
Kさんとのお電話も、もうそろそろお時間だと思えたその時、
< エビフライ!>
と、軽めに叫ばれたのです。
( え? エビフライ?)
< エビフライ!>
( エビフライがどうされたんですか?)
< 言うてもろたら、わかりますから。笑 >
・・・言うてもろたら、わかりますからって・・・
・・・Kさんがお分かりにならなかったら、私は単なる間抜け・・・
こうした感情が普通にあるのですけれども(苦笑)、
ご主人がおっしゃった通りにKさんにお伝えしたのです。
「 エビフライとおっしゃっていますが、おわかりになりますか?」
「 主人の好物です。」
「 あ、なるほど。そうでしたか。」
・・・確かに、” 言うてもろたら、わかりました ” ね。
ご主人の好物 エビフライは、ご主人以外はほとんどお召し上がりでは
ないのですって。(笑)
若干、料理行程もかさ張りますからね。(笑)
それでも、Kさんは
「 久しぶりに作ってみます。」とおっしゃっていました。
こういう時、
こういうちょっとしたことが、
私の心にささります。
良い意味で、ささります。
働き盛りの年代、お父さん。
< 子ども達が大きぃなってきたら、要るお金も大きぃなるな。(増える)
苦労かけて、悪いなぁ。
子どもらにも、気ぃ 使わしてるなぁ。ごめんなぁ。>
とおっしゃっていました。
実際、奥さんのKさんは大変だと思います。
思いますではなくて、現実、大変。
生計を立てるのって本当に大変です。
お子さん達も、年齢年齢によって いろいろな思いを
なさってきました。
本当によく頑張っておられます。
家庭の事情と言ってしまえば、一言で済まされてしまいますけど、
家庭の事情は、日常。
日常というのは、当たり前ですけど、毎日のことです。
私、偉いなぁと思います。
お子さん達も、お母さんも。
並大抵のことではないですから。
それでも、何とか、家族で協力しあいながら
日常生活をされているのは、本当に偉いです。
選挙の前だけ、ぎゃーぎゃー言ってる人達と
比べ物にならない程、偉いです。
エビフライかぁ・・・
私の子ども時代のご馳走メニューでした。
懐かしいなぁ。
少ない家計で大家族のやりくりをしてくれていた母が
誕生日には奮発してくれたのを思い出します。
エビフライ・オレンジ色のスパゲッティ・キャベツの千切り
※オレンジ色のスパ:ケチャップで炒めたスパゲッティ
これをひとつのお皿に盛ってくれていました。
嬉しかったなぁ〜。
Kさんのご主人のおかげで、子どもの頃の気持ちを思い出しました。
自分のことを思って、自分の好物を作ってくれる、
その気持ちが嬉しんですよね。
作ってもらえることが、嬉しいのです。
アガサ