一行日記
その女性は 私にこう話されました_
< この時をどんなに心待ちにしていたか
わかりません。・・・
そちらにいる間に 娘に何かしてあげれたかなぁ
と思うんです。>
非常に楽しみにされている気持ちを込めて、
そして、
こちらのでの人生を振り返りながら
少し寂しそうにそうおっしゃいました。
Tさんからお電話を頂く1時間程前のことでした。
脚のあちこちに移る、不思議な感覚と
頭の痛み・・・前頭葉右寄りだったり、
頸椎のあたりから後頭部にかけても痛みが
起こりました。
< 人生 忙しいばかりじゃ いけませんねぇ・・・>
そうおっしゃると 空気ががらっとかわり、
とても嬉しそうに、
とてもしあわせそうに こう話してくださったのです_
< 今日は おばあさん(私の母)と一緒に
来たんです!
娘にそう伝えてください。>
私の目の前に在る椅子には、
仲睦まじい母娘の姿が ありました。
50代後半にみえるその女性は 本当に幸せそう!
おばあさんはとても穏やかな温かな感じの方でした。
その様子や話されていることを
Tさんに伝えました。
Tさんは、どれもこれも思いあたるようで
胸につかえていたことを涙ながらに話してくださいました。
「 身体の弱かった母は 働いて働いて働きどうしでした。
母の苦労をみていましたから、
私に辛いことがあっても 母には言いませんでした。
母が大好きです。
なのに、病気を治してあげることが出来なかった。
いろいろなことを謝りたいんです。」
娘のTさんの話を聴きながら、
お母さんも泣いておられました。
Tさんがそう話されている間、
お母さんはお母さんで、
「 私にとって娘が支えでした。
だからどんなに辛くても耐えれました。
娘が本当に愛おしいです。」
と。
娘は 母を慕い、思い、
母は 娘を愛おしみ、思い。
そのような光景が、数秒続いたように思います。
お母さんが私に、
< これ・・・>
そう言いながら 一冊の本を差し出されました。
黒か、濃紺か・・・そのような色の表紙でした。
Tさんに説明するも、心当たりがないようです。
「 あ、もしかしたら、棺に入れたノートかも・・・
闘病中の母と私の会話です。
色は・・・覚えていませんが、普通のノートです。
母は目が悪くなってほどんど見えなかったので。」
そうご協力くださるも、あちらからの” サイン ”が
私の身体に起こりません。
「 どうやら 違うようです。
お母さんにお尋ねしますので
少し待っていてください。」
10秒程経って、
「 黒か濃紺の表紙のものをご存知ありませんか?
それに拘られているわけではありませんが・・。
それに、お母さんは、字が読めるようです。」
あちらからの正しいという合図の” サイン ”が
なかなか 来ません。
( ・・・日記・・・日記 確かに日記に
関係することなんだけど・・・
一方的な感じは 受けない。
お母さん、日記が どうされたのですか?)
十数秒経ったころ、
「 あ、わかった! わかりました。
お母さんは、Tさんと交換日記をしたいそうです。
もちろん、お母さんの書かれる字が見えてくる、
ということはないでしょうけれど。」
「 日記、書こうかと思っていました。
けれど、書けず終いです。」
Tさんの声は 少し嬉しい声に変わっていました。
「 あ、ちょっと待ってください。
まだ続きを言いたいそうです。」
< 一行だけ と言ってください。
それ以上長くは(娘にとって)良くないから。(笑)
私も それぐらいが丁度良いです。>
「 Tさん、お母さんが『一行だけ書いて』と
おっしゃっています。
それ以上書くと、娘が悲しむからって。」
「・・・わかりました。母の言うとおりだと思います。
一行だけにします。」
< 娘に伝えてください。
私のことを思って、自分の幸せまで制限しては
いけないって。あの子は私を思って、娘自身が
幸せを感じ過ぎてはいけないって そう思って
いるのです。>
そのまま伝えますと、
Tさんは涙声で「そうです」とおっしゃっていました。
< 娘がしあわせを感じる時、私も幸せを感じます。
幸せになっていいんだと伝えてください。>
( はい。よくわかりました。)
Tさんにそう伝えますと、こうおっしゃっていました。
「 母にいっぱい謝りたいこともあって、
いろいろ聞きたいこともあったんです。
でも、
一番知りたかったのは、
母が今しあわせかどうか ということでした。
私が電話する前から、母は アガサさんに
祖母と一緒に来ていて、とてもしあわせそうだと
伝えてもらいました。
私が一番知りたかったのは それでした。」
以下、Tさんから頂いたメールの一部に助けてもらいます。
– – – – –
(略)
セッション中殆ど泣いてしまい,申し訳ありませんでした。
何故か,朝から涙が止まらないのです。
久しぶりに母の声が聞ける喜びなのでしょうね。
こんな歳なのに,恥ずかしいです。
(中略)
祖母と一緒にいると聞いて安心しました。
以前の様な弱々しい母ではなく
元気で,お洒落も出来、文字も書けるようになって,嬉しく思います。
その事が1番心配してた所です。
ずーっと心の中では,母に何度も「ありがとう」と言ってましたが、
やっと直接言うことが出来ました。
一行日記・・・‥母とのつながり。
悲しみが深い,私への母からのプレゼントです。
たまたま黒い表紙のノートが有りましたので,今日から書きます。
(略)
– – – – –
一行日記。
何とも愛がつまった提案です。
” たまたまあった黒い表紙のノート ”
たまたま在ったようですが、
お母さんは ご存知だったのかも・・・
しれませんね。
良うございました。
アガサ 葉山在住
~天国の人々の思いを伝えています~
天国との対話(霊交信 / 霊界通信)