老いてゆく姿

いつ頃からだったか 忘れましたが

髪を染めることを やめたのです。

髪を染めることが どうこうではなくて、

これは私の、子への躾というか

伝えたいことのひとつで、

” 命あるもの全て 肉体は衰える ”

ということを 見せてやりたいのです。

子にとって、親は永遠の存在。

信頼のおける身近な大人 _

それが ” 親 ” です。

親は いつまでも若々しく、

元気でいて欲しい!

それが、子どもたちの願いです。

「 おかあちゃん、白髪が増えてきたね。」

「 せやろ。年々、細胞の活動も鈍くなってくるからね。」

「 染めないの?」

「 うん。もう 染めへん。」

「 どうして?」

「 おかあちゃんは、白髪が好きやねん。」

「 ふ〜ん。」

「 白髪の分だけ、頑張って生きてきたんや!

 って感じがするんや、おかあちゃんは。」

「 そっか。」

「 真っ白に なったら、カッコええと思うぐらいや(笑)」

「 ええ?!真っ白? それはちょっと・・・」

「 嫌なん?」

「 う・・・ん・・・長生きしてほしい・・・」

「 そら、わからんで。神さんが『頑張ったな。もうええで。』

 って言わはったら、あっちに帰らなな。」

「 うん。でも、長生きしてほしい。

 魔女みたいに 何百年も生きてほしい。」

「 ははは(大笑)。せやな。

 まあ、心配せんでええ。

 健康でいられるように身体を大事にしてるけど、

 おかあちゃんは、○○○に、わかっててほしいのや。」

「 何を?」

「 人間は 必ず 死ぬってこと。

 動物も。

 命ある者は 必ず 死ぬんや。

 生まれてくるやろう?

 生まれてきたら、必ず、死ぬんや。

 わかる?」

「 うん。知ってる。」

「 知ってるのと、わかる、は違うんやで。

 知ってても、悲しかったり苦しかったり

 嬉しすぎたりすると、分からんように

 なることも あるから。」

「 せやから、毎日を大事に生きたいって

 思うんや、おかあちゃんは。

 元気でも、いつ 事故に遭うかわからんやろ。

 ほら、前、おかあちゃんが事故に遭ったやろ。」

「 うん。すごく心配した。」

「 こっちが気をつけてても、人間、どうなるか

 わからんのや。」

「 そうだね。」

「 だから、頑張りすぎることはないけど、

 毎日を大事に、自分も、お友達も、先生も、

 みんなを大事に思って生きれたら、最高やで。」

「 うん!○○○、そう思ってるよ。」

「 うん、わかってるで、○○○が人を大事にしてるのは。」

「 うん。」

「 ・・・」

「 どうしたん?言いたいこと、言いや。」

「 ・・・でも、長生きしてほしい。」

「 あたりまえや!可愛い子を残してあっちには

 行かへんで。

 ありがとう。」

「 でもな、白髪は、おかあちゃんの勲章やから。」

「 うん。わかった。」

「 白髪が醜いものでも、年寄りくさいことでもない。

 そう勝手に判断するのは、人間の身勝手や。

 見た目やないで、人間は。

 見た目をどんなに綺麗にしても、

 心は 置き去りになってる人も いる。

 清潔にすることと、おしゃれすることとは

 また、違うんや。

 毎日洗濯したものを着れるのは、幸せやで。」

「 うん! いつも、洗濯してくれてありがとう!」

「 いっぱい、汚しておいで!(笑)」

日常茶飯事な会話です。

身近な家族が老ってゆく姿を見るのは

子にとって、胸のしめつけられる思いです。

ある程度の年齢にさしかかってきたら、

物事の本質を視るように 伝えたいと

思っています。

楽しいこと、

嬉しいことは、これから本人が自分で

自分の感性に沿って 見つけてゆくし、

経験を重ねてゆきます。

悲しいこと、

辛いことは、本人が乗り越えてゆくのですが

悲しさや辛さから逃げない姿勢は

伝えたいと思います。

私の今までの経験を話しながら、です。

決して、

ガイドが言ったとか、

あちらの誰々がこう言ってるよとか、

そんなことは 言いません。(笑)

この世に 居る限り、

この世で 生きている限り、

この世で 丁寧に生きることを

伝え続けたいと 思っています。

必ず、老いる。

今日が 一番若い。

いつも必至に生きてきたから

” 年をとることは、いいもんだ!”

そう思える。


雨が多かったですね。
散歩道に、こんなに可憐なすずらんが咲いていました。
清楚で可愛かったなぁ。

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