とりそぼろ

前日の午後3時過ぎ、”夕食は何を作れるか?”の時間。

この日は珍しく すんなり決まりました。

「 よし!とりそぼろと玉子そぼろ。

 さやえんどうが無いなぁ〜・・・まあ、いっか。」

頭には三色が浮かんでいたのですが、現実は二色。(笑)

料理は、お世辞にも並の腕前とは言えない私。

レパートリーも極端に少ないからか、私が台所に立つと、

なぜか、家族のテンションは低め。

一番テンションが低いのは、焼き魚&お味噌汁定食。

( 最高のご飯メニューだと思うんだけどなぁ〜 )

二色そぼろ、完成!

「 簡単で見栄えするから良い!」と私。

< 美味しそぉ〜 >

若い女性の声が耳元でしました。

ん? と思いましたが、久しぶりのとりそぼろに自己満足です。

「 久しぶり!」と言いながら、私も食べていました。

いつもは ” おかわり ” をしないのですが、この日は ” おかわり “。

” よく食べるなぁ〜、お母ちゃん・・・” という無言の視線が痛い。(笑)

でも、そんなの気にしません。

何故か、食べたかったのです。

日常は、とにかく、ぼんくらな私です。

そのぼんくらな私は、お布団に入ってからようやく気づきました。

( Nさんのご家族だったんだ・・・)

翌日早朝、家族に 子どもの頃の、母との思い出を話していました。

( なんで、子どもの頃の思い出を話してるの?)

その内容からして、Nさんのご家族が話したいのだと察し、

家族におつきあいしてもらいました。

< 随分、好き放題生きてしまったなぁ。

 必至で充実していたけど、母はちょっと寂しく思ったかな? >

( そう思うのですね。わかるような気がします。)

彼女と私の心がひとつになっていたのです。

Nさんが来られるまでに、彼女はいろいろと話してくれたと思います。

私も忘れまいとメモをとっていました。

” 男性のように仕事が出来る方 “

そう走り書きをしていた時です_

私の傍でリアクションがありました。

( あぁ、そうだった! あなたは、仕事が出来る人だ!)

彼女も私も笑いながら、ふたりでうんうんと頷きながら、メモを追記。

” デキる男性のように “

(これがぴったりだ!)(大笑)

Nさんが来られて、ごん(愛する4本足家族)に

温かい言葉をかけてくださいました。

それだけで、Nさんと私は、お互いに涙があふれそうでした。

「 背の高いスラッとした、若い女性です。」

「 非常に頭の良い方で、男性のように・・・あ!そうだった。

 すみません。言い直します。

 ” デキる男性 “のように仕事が出来る女性です。」

Nさんはハンカチを目に抑えながら、笑いながら「娘です」とおっしゃいました。

ここで、今朝のやりとりを話しました。

「 Nさんが来られる前、お嬢さんが話しかけてくださった時、私は

 メモをしていたんです。そこで、”男性のように仕事が出来る方”

 と書いていましたら、リアクションがね・・・(笑)、娘さんの。」

話し途中でしたが、私はもう我慢が出来なくなって大笑いし始めました。

「 娘さんは、あまりにも素直で、おかしくて。

 ああ、わかりましたと言いながら、追記したんです。

 ” デキる男性 ” というように!」

これには、Nさんも大笑いするしかないようでした。

同時に、涙も。

「 娘は そういう子です。」

「 ええ。ハッキリおっしゃる。」

「 はい。」

「 不思議にそうおっしゃっても、ムッとしないですよ。お人柄でしょうね。」

「 そうなんです。彼女はアメリカで医学の勉強をしに院まで行き、頑張っていました。

 性別問わず、多くの友人がいたようです。」

「 そうでしょうね。そう思います。」

「 Nさん、娘さんが子どもの頃の思い出を私に話してくださいました。

 母が、Nさんのことです、サラサラっと描く女性スタイル画が

 とても大好きで、本当に上手いの!と。

 小さい時、私にとってそれは宝物のようでした、って。

 今、どこにあるんだろう?・・・

 もうないか。(笑)

 勿体ないことしたなぁ〜

 そうおっしゃっているのですが、おわかりになりますか?」

「 はい。わかります。」とNさん。

「 私、服飾関係の学校をしています。娘が小さい時に、

 『 どんな服が来たいの?』と尋ねますと、

 『 こんな感じで、ここはこんなんで!』と話すんですが、

 まったくイメージが掴めず、紙に私がこういう感じかなと

 サラサラっと描いていました。

 娘はそのことをそういうふうに思っていたのですね。」

「 ええ。そのようです。嬉しいですよね。」

「 はい。」

娘さんは、ご両親のお仕事についても言及されていました。

Nさんがおわかりになるかどうかを尋ねますと、

「 とてもよくわかります。」とのことでした。

< 私は恵まれて育ててもらいました。

 ・・・両親の・・・母のそばに居て、ということが少なかった。

 今は、傍にいて、ゆっくり歩きたいなぁと思います。>

この言葉を聞き、私の胸にもぐっと来ました。

< (私を)産んでくれて ありがとう >

彼女は言葉をご自分で噛み締めながら、心いっぱい込めてそうおっしゃいました。

それでは、Nさんからのメールの一部を掲載致します。

– – – – –

(前略)

もう前からお邪魔して私の思うところをアガサさんに告ているなんて、
なんて娘らしいのでしょう
男性のように仕事ができる ではなく できる男性のように仕事をすると
訂正させるなんて本当にあの子のやるようなことです
でも本当に仕事が好きで 楽しんでやっていたと思います
(周りの先輩や上司にも恵まれたんだと思います)

とりそぼろのお弁当
何の感想もなかったのでそんなに好きではないと思っておりましたが
好きだったんですね
そして、ちゃっかりアガサさんのおうちで ご馳走にまでなってたなんて
ありがとうございます 
「昨日食べたから当分はいらない」って またしばらくしたら作るから
食べに来てね!!
(ア:本当にストレートで楽しい娘さんです。)

仕事の後継者のことへのアドバイス。
(ア:具体的なことなので割愛いたします)
本当にその通り。頑張ります。

いつも(しばらくは?)娘は私のそばにいてくれるようなので
いろいろ問いかけをしてみましょう
最後に私の父まで来てくれて そのままの父で本当に幸せな時間でした。

(略)

– – – – –

娘さんの話したいことも一段落ついた頃、交流時間は1時間程でした。

そろそろ、交流を終わりにしましょうと思いましたら、

高齢の男性が、あわててかけこんで、話してこられました。

「 孫が言うことをきかないんだっておっしゃっていますよ。

 小さい時はこうじゃなかったのにっ!って。

 もうそのおっしゃり方が、申し訳ないのですが、おかしくて。(笑)

 だけど、怒ってはおられませんよ。

 とても可愛がっておられたご様子です。」

男性の描写を伝えつつ、息せき切って話される内容を

Nさんに伝えますと、びっくりなさった様子。

「 私の父です!間違いありません!」

驚きつつも、とても嬉しそうでした。

交流をさせて頂いて、いつも思います。

他界が存在するしないというのは、最終的には、個人の自由だと思います。

経験しているからといって、それが絶対に正しいと言うつもりはありません。

ただ、私が言えるのは、

これだけのことを話してくださる ” 相手 ” がいなければ、

私は、ご依頼くださる方には 話せませんし、

その内容が本当かどうかの確認も取れません。

Nさんの娘さん、お父さん、そして、わんちゃんが

今も 存在しておられるからこそ、

話してくださるからこそ、

Nさんに伝えることが出来るのだと思っています。

この世で何が正しい、正しくないとか、

科学で証明出来るのか、できないのか、

誰それがどう言ったとか、言わないとか、

誰それが何をしたとか、しないとか、

そういうのは、人間特有の感情としてはありますが、

そこが大事なのではないと思うのです。

まずは、日常において、自分がどうか。

懸命になって生きているかどうか、

命を大切にしながら、命の限り、生きようと思ってるかどうか、

そういうことを大切にすることも 大事だと思います。

いろんなことを経験していくなかで、自分という生き物は

決して、孤立無援などではないんだ・・・

見ず知らずの、顔を合わすこともない多くの人達や動物達に

支えられているんだと気づいていくのだと思います。

人それぞれの性格は、とてもユニークです。

とても愛すべきものです。

Nさんのお嬢さんのように、他の人のことも考えた上で、

どうすることが 四方八方に善い広がりとなるのかを

シンプルに物事を見れるように心掛けたいと思います。

偏見なく。

アガサ

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