空気から伝わる愛

ある朝、りんご散歩時でのこと。

いつもの道を歩いていますと
ゴミ出しをされるご婦人に目がいきました。
ご婦人もこちらをご覧になっていました。

りんごをご覧になってるなぁ・・・

わんこが好きかもしれない
苦手かもしれない
怖いのかも、しれない

道の端っこを歩こうとしていたその瞬間、
りんごがご婦人にゆっくり近づいて行きました。

私 「 あ! すみません 」

婦人 「 いえ。触っても・・・良いですか? 」

私 「 はい。この子は女の子です。名前はりんごと言います。」

婦人 「 まぁ、おとなしいですね。」

私 「 ・・・割とそうですね。笑 」



りんごを優しくなでてくださるご婦人の手が
本当に優しさいっぱいでした。

わんこが好きなんだなぁ・・・

そう思っていましたら、
ご婦人は、両手でそっと りんごの頬を優しく包まれ
ご自分のおでこと、りんごのおでこを近づけられたんです。

涙が出そうになりました。

数秒でしたが、ご婦人とりんごの時間でした。

ご婦人は
「 有難うございます 」
と仰って、来られた道を戻ってゆかれました。



大事な家族、
大事な子、
愛しいわんこを見送られたんだ。

でなきゃ、
あんなに優しく 温かく 
切なく 恋しい接し方なんて
出来ない。

心から愛する家族、
心から愛する人を
見送った方の空気は
言葉で説明されずとも
心の奥深くにまで
届きます。



りんごとの帰り道、
ふんわり優しいキンモクセイの香りがしました。

りんご、
あの方に また会えると良いね。



アガサ

キンモクセイの香りは心和ませてくれます。そこかしこで植っています。季節季節に咲くから、香るから、有難味も増すのでしょうね。いつもそこに在れば居れば、当たり前のように思ってしまって、気も留めないのかもしれませんよね、人間って。苦笑 (若かりし頃、桂花陳酒というお酒が好きでした。それってキンモクセイでしたよね。笑 お酒を飲まなく飲めなくなって、15年程になります)
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2件のコメント

  • アガサさん、こんにちは。
    こちらにもお返事をありがとうございました。
    金木犀は眺めてるだけでも、甘い香りが漂ってきますね。
    なぜか、外遊び全盛期?、子どもの頃を思い出します。
    空気から伝わる愛、主人が旅立ってから、より感じるようになりました。
    きっと、アガサさんとりんごちゃんからも、温かい空気が流れてたんだと思います😊

    • JJ様が書いてくださって、私も遠い遠い昔の自分を思い出しました。外で遊んでた頃です。 今の子どもたちは外遊びといっても、外でゲームしてたりしますね。自分達で秘密基地を作るとか、公園や学校の校庭でサラサラの砂を集めてフィルムケースに入れて・・・笑・・・「魔法の粉」的にこっそり大事にポケットに入れた帰った子供の頃と比べて、覇気が薄くなりましたね。まぁ、いっか。笑

      大切なご家族を私たちの識別方法で感知しようとする方が無理があります。JJさんは、そこを飛び越えられたのですね。空気から伝わることは大変多く、深く、真実だと半世紀ちょい生きて実感しています。有難うございます。

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